アフガニスタン情報
国名 アフガニスタン・イスラム共和国 / Islamic Republic of Afghanistan
経緯度 N 33°00' E 65°00'    
地域/立地 アジア / 南西アジア・パキスタン北西部・イラン東部・中国西
気候 乾燥・半乾燥地帯
言語 ダリー語、パシュトゥーン語
通貨 アフガニー / レート;1$≒50アフガニー
資源 天然ガス・石油・鉱物・鉱石
アジアの子どもたちに美味しいものをごちそうする会からメッセージ
アフガンの子どもたちに美味しいものをごちそうする会”の活動でみなさまからお預かり致しました募金は、
幸せの種として現地に蒔かれ大きな実と生長致しました。
そして、PWJ現地スタッフから現地のリポートが届きましたのでご紹介致します。
荒廃した大地は着々と緑を取り戻し、子どもたちに笑顔が・・・



2010年10月農業支援現地報告
どうして?! アフガンの農業支援を続けられないのか… 田代ともや
アフガニスタン北部サリプル州の治安状況と、ごち会苗木配布事業の中断について
PWJ アフガニスタン現地スタッフ 児 島 淳

  【20093月に行った貴会支援事業の概略】
ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)では、20093月に“アフガニスタンの子供たちにおいしいものを
ごちそうする会”(当時)からの協力を受けて、アフガニスタン北部のサリプル州内において苗木の
配布を行いました。配布対象としたのは、サリプル州内でも山深いコヒスタナト郡チュラス域
20以上の村落が点在する山岳地域)です。チュラス域は、サリプル州中心部から直線距離で100q
離れた遠隔地にある山村地域であり、復興が遅れている場所の一つです。

チュラス域では、長老会などに依頼して支援することが望ましいと思われる約350世帯を抽出し、リンゴと
サクランボ合わせて1,050本を配布しました。

  【治安状況と事業進捗】
これまでもお伝えしてきました通り、治安状況は、アフガニスタン内で比較的治安が良いと言われていた
サリプル州でも悪化しています。2009年春の時点でもすでに反政府勢力がサリプル州内に出現しており、
チュラス域のような遠隔地には少なからぬ不穏分子が侵入しているとの情報もありました。このような事情
を受け、上記の苗木配布を行った当時は、PWJスタッフは細心の注意を払いながら配布作業を行いました。
現に、PWJ現地スタッフが配布作業のためにチュラス域内の村で宿泊していたおりには、集まった人々の中に
危険な雰囲気を感じていました。
苗木の配布作業以降も、現在まで治安は悪化の一途を辿っております。PWJとしては、スタッフの安全に鑑み、
苗木の植樹確認のための視察や、貴会の協力による事業であることを示すサインボードの設置などの作業を
行えずにいます。このため、協力を頂いておきながら大変心苦しいのですが、20093月の苗木配布事業は
未完のまま中断し、現在に至っております。これまで、貴会に20093月の苗木配布事業の完了報告が出来
ていないのはそのためです。
 【今後の治安状況と実施可能な事業について】
各種メディアで伝えられているように、治安悪化傾向に歯止めはかからず、タリバンなどの反政府勢力や一般犯罪は
増加し続けています。 
下図に示す通り、サリプル州でも、多くの地域で反政府勢力が活発な活動を行っており、タリバンなどの存在が常態化
している地域もあります。
これまで20082009年と苗木配布を行った村々が、現在反政府勢力の活動拠点になっていたり近接していたりして、
支援活動はおろか、近づくことさえ難しくなっています。全体的な傾向として、貧困な遠隔地域に反政府勢力が侵入し
ていることが多く、これまで行ってきたような本当に支援を必要としている村への苗木配布事業の遂行は不可能な状況です。
将来、治安が改善する可能性はありますが、少なくとも向こう数年間はこのような状況が続くと予想され、誠に残念ながら、
現状では新規の苗木配布事業を行える状況にはないと言えます。

2009年9月苗木配布事業完了報告
※写真をクリック・大きくなります

2007年〜2008年9月苗木配布事業完了報告
※写真をクリック・大きくなります


2006年〜2007年活動報告

2004年から「アフガンの子どもたちに美味しいものをごちそうする会」にご支援いただきアフガニスタン北部サリプル州における農業復興支援活動の一環として種子・苗木配布事業に活用させて頂いております。今ではピースウィンズの現地スタッフの間でも、「アフガンの子どもたちに美味しいものをごちそうする会」はGochikai = ごち会」という愛称で知られるようになりました。第1回目のご寄付から、合計して1,617,491円のご支援をいただき、現地の子どもたちのために活動をさせていただきました。


下記は2006年〜2007年にかけて行われた事業の報告です。
事業

実施時期

配布物

配布数/

裨益世帯数 推定受益者数*
苗木配布 20051月〜
2006
3
アーモンドと
アプリコットの苗木
アーモンド苗木:600
アプリコット苗木:50
240世帯 推定1,440
スイカ種子配布 20064月〜
20065
スイカ種子 スイカ種子2.75トン
2.5kg/世帯)
1,100世帯 推定6,600
苗木配布 20073月〜
20074
りんごと
梨の苗木
リンゴ苗木:800
梨苗木:200
196世帯** 推定1,176
トウモロコシ
種子配布
20077 トウモロコシ
種子
トウモロコシ種子
2.2トン20kg/世帯)
110世帯 推定660

【苗木配布事業】

事業実施時期: 2005年1月〜2006年3月
配布地域:       サリプル州サリプル郡3ヵ村
裨益者数:      約240世帯(推定1,440人)
配布物:           苗木約650本(アーモンド苗木600本・アプリコット苗木50本)

ピースウィンズが農業事業として行っていた育苗場事業の一環として、2005年1月に桃、アプリコット、ピスタチオおよびアーモンドの種子を購入し、ピースウィンズのサリプル事務所内の育苗場に植ました。桃とピスタチオは冷害により、芽がでなかったという被害もありました。アプリコットおよびアーモンドの苗木はその後一年間をかけてピースウィンズのスタッフによって育てられ、また接ぎ木などの作業も行われました。2006年の3月頃、苗木が1メートルほどに成長した段階で配布が行われました。

2006年3月18日に、サリプル市近郊の3ヵ村の村で苗木を配布しました。約600本のアーモンドの苗木と約50本のアプリコットの苗木が約240世帯の子供たちに渡されました。これらの苗木の多くは、家畜などの被害を受けず、手入れの行き届く各世帯の家庭菜園に植えられています
配布される苗木を指さす
農業担当ジャウィッド

20063
PWJ
サリプル事務所
苗木を受け取った男の子たち
20063
サリプル州エンゲシュカ村
配布された苗木を受取った男の子
20063
サリプル州エンゲシュカ村

【メロン種子配布事業】

事業実施時期:    2006年4月〜5月
裨益者選定:       サリプル州サリプル郡およびサヤド郡 乾燥域の村16ヵ村
裨益者数:           1,100世帯(推定6,600人)
配布物:             スイカ種子2.75トンを各世帯2.5kg配布

サリプル州はかつてメロンやスイカの産地として名の知られるところでした。しかし、サリプル州の乾燥域は天水農業に頼っており、その年の降雨量によって主要な作物である小麦、亜麻、ゴマ、メロン、スイカ等の出来高が大きく左右されます。生活基盤の脆弱な乾燥域の村々にスイカ種子の配布を行うことを決定しました。

過去には、メロンとスイカの種子を配布した実績がありましたが、過去2年にわたり、メロンがメロン・フライ(寄生虫)による被害を受けていたため、サリプル州農業局と相談の上、スイカ種子のみを配布することとなりました。サリプル州農業局と相談の上、乾燥域(天水域)の村々を選定し、2006年4月に各村落の世帯登録を行い、2006年5月にスイカ種子の配布を行いました。

2006年は降雨量が少なく、干ばつの影響でサリプル州でも小麦などが大きな被害を受けました。植えられたスイカも、実りは良好ではなかったようですが、干ばつで他の作物が大きな被害を受けていたことで、村人からは感謝の声が聞かれました。

スイカ種子を受け取った男の子たち 2006年5月サリプル州 実ったスイカ 2006年5月サリプル州

【トウモロコシ種子配布事業】

事業実施時期:    2007年7月
裨益者選定:       サリプル州サリプル郡の帰還民世帯
裨益者数:           110世帯(推定660人)
配布物:             トウモロコシ種子2.2トン(各世帯20kg)

日頃からサリプル州に帰還した難民・国内避難民世帯への支援要請をDepartment of Refugees and Returnees(サリプル州難民・帰還民局)から受けていたことから、ニーズの高い帰還民世帯への支援を決定しました。サリプル州難民・帰還民局との調整により110の帰還民世帯を選定し、時期的に作付が適しているトウモロコシ種子を配布することにしました。

2007年7月に、サリプル州サリプル郡の帰還民世帯110世帯の子供たちにトウモロコシ種子20kgが配布されました。




配布するトウモロコシを計量する
村人
2007年7月サリプル州
トウモロコシの配布に集まった
子供たち
2007年7月
トウモロコシ畑に立つ子供と
PWJ農業担当
2007年8月サリプル州




アフガンの子どもたちに美味しいものをごちそうする会
苗木配布事業完了報告書

苗木配布事業
サリプル州の灌漑域は、ぶどう、あんず、りんご、桃、ナッツ等の果樹の栽培が盛んな地域でしたが、長年の紛争や旱魃で多くの果樹は切り倒されてしまいました。上記の背景を踏まえ、PWJの農業担当者と相談の上、本年度は果樹(りんご・梨)の苗木を配布することを決定しました。アフガニスタンで最も良質な苗木はアフガニスタン中央に位置するカブール州パグマン区の苗木と言われており、カブールで果樹の苗木(りんご・梨)を購入しました。
苗木の購入
3月下旬、PWJの農業スタッフをカブールに派遣し、苗木の選定と購入を行ないました。帰路は洪水による道路分断などの問題にも直面しましたが、無事に4月4日にサリプルに到着しました。購入した1,000本のりんごと梨の苗木は、カブール州・パグマン区で生産された3年物の苗木です。来年から、少しずつ実をつけると思われます。

苗木配布先
サリプル州農業局との協議により、サリプル市近郊の4ヶ村が選ばれ、農業局と村落代表等とのミーティングの結果、果樹を育てる経験を有する、子どもの多い世帯が選定されました。(4ヶ村、合計196世帯。各世帯毎にりんごの苗木4本、梨の苗木1本を配布。)また、学校からの要請も受け、サリプル市内の2校(女子校1校・男子校1校)にも苗木を配布しました。さらに、サリプル州農業局からの要請があり、少数の苗木をサリプル州農業局事務局に配布しました。配布は2007年4月4日〜5日に実施しました。

苗木配布先 苗木数
受益者数 りんご 合計
アシアバード村 60 240 60 300
サーハック村 50 200 50 250
イマム・ホルド村 50 200 50 250
トガニ村 36 144 36 180
ジャウズジャン女子校 1 7 2 9
メンハージ・スラージ男子校 1 7 2 9
サリプル州農業局 1 2 0 2
合計 199 800 200 1000

苗木の配布(1)
サリプル州農業局での配布(トガニ村、サーハック村、イマム・ホルド村)
トガニ村、サーハック村、イマム・ホルド村への苗木配布は、治安状況(注)を考慮してサリプル州農業局事務所内で行ないました。(注)配布予定時期にサリプル市周辺で治安事件が発生し、PWJスタッフによる村落部への立ち入りを規制したため。これにより、村の子どもたちに直接配布せず、代表される世帯主に苗木を配布した。

山元プログラム・コーディネーターから苗木を受け取る少年
苗木の配布(2)
アシアバード村の苗木配布は、アシアバード小学校の校庭で行なわれました
苗木を受け取った子どもたち
苗木の配布(3)
ジャウズジャン女子校には、りんごの苗木7本と、梨の苗木2本が配布され、校庭に植えられました。学校を代表して苗木を植えたのは、小学校6年生の女の子たちです。


サインボードの設置
苗木を配布した4ヶ村に、サインボードを設置しました。

サーハック村: 
村の貯水槽脇に設置
アシアバード村: 
村の小学校内に設置
トガニ村:
 村中心の道路に設置


PWJ現地スタッフ平井氏からメッセージが届きました
●[サリプルの子どもたちにスイカの種が届けられました]
アフガンの子どもたちに美味しいものをごちそうする会とその支援者の皆様、
アフガニスタン北部サリプル州はメロンやスイカの産地です。そのサリプル州で、今年は皆様のご支援で子どもたちにスイカの種子を配布しました。2006年4月に、スイカを生産する地域を調査した後、16の村を支援先に決定し、合計1,100世帯が受益者として選定されました。その後ピースウィンズの農業担当者が質の良いスイカの種を選び、皆様からのご支援で合計2,750 kg のスイカ種子を購入し、各世帯に2.5kgのスイカ種子を配布することができました。今年は、小麦や大麦など他の主要作物の生育状況が悪いことから、種子の配布は村人達に大変喜ばれました。スイカの種は5月中に撒かれ、8月頃に食べごろを迎えます。
また、アーモンドとアプリコット苗木を2006年3月に配布したハナハイマリキ村で、成長具合の調査を行いました。配布された苗木は、受け取った子供達の家の家庭菜園で大事に育てられていました。子どもたちと一緒にすくすくと成長することを願っております。
今後ともご支援・ご協力よろしくお願い申し上げます。
2006年6月14日文責:平井

●現地ご訪問をご希望されている件につきましては、大変ご連絡が遅くなりまして失礼いたしました。これまで多大なご支援を賜っております、現地での種子配布事業の模様をご覧いただくべく、ぜひともアフガニスタンへおいでいただきたいと存じておりました。
しかしながら、残念なことにこのところ、今まで北部では発生したことのないNGOをターゲットとした犯行や、学校の放火などの犯行が立て続けに発生しております。これらの事件は、比較的安定した治安に恵まれていた北部の支援コミュニティにも大きな衝撃を与えておりまして、これまでの状況に鑑みると、北部の治安状況は今後悪化することがあっても、大きく改善する見込みはないとの認識が北部の支援コミュニティの間で広まっています。
これまでにも一進一退を繰り返してきた同国の治安の先行きについては、引き続き今後の推移を注視していく、というこれまでの対応に代わる妙案は残念ながらございません。私自身も2004年夏に現地を訪ねて以来、もう2年近く足を踏み入れておりません。また、治安が改善し、安定した暁には、ぜひ改めてご訪問をお考えいただきましたら、喜んで現地のご案内をさせていただきたいと存じます。安全第一を是とする現地の駐在スタッフの判断に基づき、このような決定をさせていただきましたところ、何卒ご理解くださいますようお願い申し上げます。
今後とも変わらぬご指導・ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
特定非営利活動法人 ピース ウィンズ・ジャパン
海外事業部 齋藤雅治


PWJ現地スタッフ平井氏からメッセージが届きました
[サリプルの子供達に苗木が届けられました]
アフガンの子どもたちに美味しいものをごちそうする会とその支援者の皆様、

皆様のご支援によって2005年1月に植えられたアーモンドとアプリコットの苗木を配布することができました。
購入した果物とナッツの種子は2005年1月にピースウィンズのサリプル事務所内の育苗場に植えられました。桃とピスタチオの苗木は残念ながら冷害により、芽が出ないという被害にあいましたが、アーモンドとアプリコットは1年間かけて農業スタッフによって育てられました。1メートルほどに成長した苗木は、早いものでは花芽がつき、小さな実をつけ始めています。
2006年3月18日には、サリプル近郊の3カ村の子供たちに約600本のアーモンドの苗木と約50本のアプリコットの苗木が配布されました。ハナハイマリキ村では約100世帯、インギシュカ村では約100世帯、ジョイワラズ村では40世帯の子供たちの手元に届けられました。
苗木を渡された子供たちははしゃぎ、満面の笑顔で家に走って持ち帰って行きました。充分に食べられるだけの数の実をつけるまでには数年かかりますが、子供たちとともに苗木が大きく成長することを願っています。ご支援ありがとうございました。
2006年3月18日
文責:ピースウィンズ・ジャパン アフガニスタン駐在 平井礼子


PWJ現地スタッフ平井氏からメッセージが届きました
アフガニスタンは9月に議会選挙を無事に終えました。しかしながら、北部でのISAF(国際部隊)への襲撃やアフガニスタン警察への襲撃などの事件も発生しており、依然として治安は予断を許さない状況です。しかしながら、サリプルの治安は比較的安定しています。
昨年は村人は昨年は害虫(小麦はサンペスト、メロンはメロンフライ)や洪水などの被害がでたが、全般的には良い年だったと話しています。しかし、今年からは国際機関からの大規模な種子支援などがなくなったため、種籾の要望を村人から多く聞きます。小麦やスイカなどの種の支援要請が農業スタッフに届いています。その中でも、今年は特に現金収益につながるマメなどの種子支援の要請が多いようです。
今年は雨の降り始めが遅く、水不足が問題となっている村も多くあります。また、雨の降り始めが遅いため、昨年と同じように作物の育成期などの肝心な時に雨が降らず、収穫前など雨による被害がでる時期に降るのではとの懸念の声も聞かれています。
昨年種を配ったサリプル州のカルタベル、とインキシュカという村の こどもたちの写真です。


2005年5月、PWJ柴田氏からレポートが届きました
先月までアフガンに赴任をしておりまして、 3〜4月に御団体の果物種などの配布などを実施してきました。
2005年6月、PWJ柴田氏からレポートが届きました
現地スタッフによれば、現在はまだ実がなっていないのですが、1ヶ月後には、メロン、スイカがなるそうです。メロン畑にての写真です


そして、みなさんから頂いた募金が、幸せの種となり子どもたちの手により大きな収穫となりました

<<アフガンの大地からレポートが届きました>>
2004年5月のコンサートを終えアフガンの大地に幸せの種(キュウリ・ラディッシュの種)を蒔きました。
そしてPWJ齋藤氏から現地レポートが届きました。
皆様から頂いた幸せの種がアフガンの大地に緑豊かになる日まで・・・
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